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いつかの日記

起床。

隣に貴方が居ない事を確認して、散らかった服を片しながら涙が溢れるのを拒んだ。

悲しい時は部屋を無性に綺麗にしておきたくなるので、広くて何もない部屋に無音が痛いほど響いた。

 

大事な事を聞こうとすると喉が詰まるから、最近の僕といえば酒に頼りきりだ。

考えたくない。ただ、それだけなのに何もしたくなくなる。

 

会社も行かない。行けないのだ。行かなきゃと思えば思うほど体が動かずにいる。

仕方がないよ、という言い訳となんでお前はいつもそうなんだ?という疑問が頭の中でひしめき合うのである。

ご飯に味がしなければ、耳も聞こえなくり、お薬を貰って「それらしい」病名も貰った。

よかった、僕はおかしかったから駄目だったんだ。仕方なかったんだ。と安堵のため息が自分でも気付かないほど小さく漏れた。

そんな時に貴方という抗不安剤はよく効く。僕に都合のいい言葉、耳触りのいい台詞。

あまりの副作用に怖くなるほどだ。深く深く落ちていく。

 

昔から、黒い四角い箱の中に閉じ込められる妄想を、よくする。

掃除機をかける音が遠くで聞こえて、僕は壁の一面をずっと見ている。

真っ黒だったはずの視界が白んでいく。丸い渦を貰ったまるが大きくなったり小さくなったりしながら僕に近づくのだ。そこでハッと我に返る。

さっきまでの模様は居なくなり、一人暮らしには広い1Kの部屋で僕は一人で立ちすくんでいた。

 

カシャン。

鍵が開いた音がする。

良かった。最後じゃなかった。

さっきの涙を呼び戻す。

弱い僕を好きな人だから僕は弱さを君のためにとっておこう。

飽き足りるまで、食べ尽くすまで。



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