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石蹴りみたいに、今日も一つ足元に転がった恋を蹴飛ばした。

バカみたいだ、と思ってしまう。

こんな私を好きになるなんて、愛してしまうなんて、節穴で、馬鹿で、気持ち悪いと思ってしまう。

それを香織に話すと、どうでもいい誰かに好かれるなんて朝飯前と香織は言い、

「だって、よく見せようとしていい面しか見せてないのに、そこを好きになってもらうなんて当たり前でしょう」

金髪ロングの、綺麗なウエーブをいじりながらめんどくさそうに喋った。

「じゃあどうして、喉から手が出るほどほしい人は手に入らないのよ」

「馬鹿ねぇ。大事にしてほしい人には自分自身を愛してほしいものなのよ。だから少しでもよく見せようとしてしまって、在り来たりな人間という印象を与えて終わってしまうの」

「じゃあどれだけ可愛い服をきて、メイクをして、どれだけいい子にしたってあの人はこれっぽっちも愛してくれないのね」

そうね、と続けた後、お人形のようなワンピースの見た目には似合わない、ブラックコーヒーを香織は飲み干した。

 

帰り道、高円寺の薄ごれた飲屋街を歩きながら私は香織を家まで見送り、その後ひとりそのまま狭いアパートに帰る。

ただいま。天使のような寝顔、誰にも言えない秘密の話。



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