「無音が聞こえる」貴方がこぼした台詞の中で一番好き

貴方の寝息、聞くのもとっても好き

好き？って問う貴方の声も、私の耳を喜ばせる

 

でも私が今一番聞こえているのは、古い本に虫がゆっくり小さく穴を開けるみたいに少しずつ、

心を蝕む嫉妬の音で

耳を塞いでも心に蓋を閉めても、どうしても。

私の心という古い本には穴が空いてしまって、綺麗なままだった「好き」という文字が読めなくなっていくのをただ眺めているような気分で

貴方を純粋に想えない私をだんだん嫌いになってしまいそうになる

 

どんな風に貴方はあの人を抱くんだろう

私を愛してくれるみたいに愛を齧って耳を濡らしているのだろうか

嫌だな

私が好きだと思うところをあの人も好きだと思っているんだろうか

嫌だなぁ

 

そんなことばっかり考えて

私の心だんだん、うるさくなって

ぽたぽた静かに泣いてる

 

玄関の鍵が開く音がして

貴方が「ただいま」私が「おかえり」

 

貴方には私の愛が聞こえる？

 

 

ZIP-FM「IF I AM」

2019年5月10日(木）25:00~25:30放送